江本昌子の「ぶちおきゃん!マチャコの思い出話」 第25回「麻雀大会」 江本昌子公式ホームページ

江本昌子の

著者:江本昌子

第25回「麻雀大会」

毎週木曜日更新

作者へのお便りをお待ちしてます。

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昭和56年、三女の幸子姉が41才の若さで他界した。
父と同じ脳溢血。毎年春になると「生きちょったで〜」と、受診したけれども、その冬は例年にない寒さで、1月11日ギャンブラーの茶里姉さん(チャーリーは幸子姉さんの愛称)らしくゾロ目の日に逝ってしまった。

七回忌に、姉が好きだった麻雀をして供養しようという事になり身内で卓を囲った。メンバーは私とサクセスストーリーのドクター夫人のまい子姉。店の経営者、四女の明子姉。そして初めて一緒に打つ二女の三千子姉の娘の旦那のドクター道成君。プロ並みの腕前の道成君にとって、私たち三人は赤子の手をひねる位見易いレベル。私は当時ほぼ毎日雀荘に通っていたので腕には自信があったが、へたっぴいとする麻雀するほどおもしろくないものはない。ここはひとつ、家庭麻雀を楽しむことに徹しよう。

それにしても道成くんもわたしもさっさと早く打つのに二人の姉のところでリズムが止まる。このテンポでいったら、いつ終わるんやろう。心配になってきた。特に遅いのが明子姉。ほろ酔いも手伝って、長いこと待たされる。配パイの最初のツモでもうすでにウ〜ンと唸っているのである。天保じゃあるまいしいらいらしてきた。

私「最初に切るハイ何か一枚ぐらいあるやろ〜」
「う〜ん」
まだハイとにらめっこしている。あまりにも長い!
「怒るよ。早よ切らんかい!」
「う〜ん。う〜ん。うんこ!」
ガクッ!!

五女のまいこ姉は久しぶりの麻雀が楽しいのか超音波に近い鼻唄でごきげんさん。早くに白をポンして、ウンコ姫が出した「中」を声をひっくり返して「ポン!」と言い
「ありゃ〜、それはひょっとして何かい」と言っていると自分のツモでよせば良いのに
「発カ〜ン!」
「ナヌー!!??」
誰が役満ふるもんかい!結局流れてしまって、顔を真っ赤にしたまいこ姉さん、ブッ!鼻血をぬかしてしまった。やれやれ、うんこの次は鼻血かい。
「血を見る戦いとなりました!」わたしが実況中継のアナウンサーのように言うとムコ殿、お腹をぷるぷるふるわせて必死で笑いをこらえてる。鼻にティッシュを二本突っ込んだままピィピィ鼻鳴らしながら打つまいこ姉。マンガひみつのアッコチャンの歌「♪あっこちゃ〜ん♪あっこちゃ〜ん、すきすき〜♪」と自画自賛で歌ってばかりで手が遅い明子姉。男より男らしい打ち方の道場やぶりの私。道成君はあれから麻雀二度と誘ってくれないけどあん時は本当にお疲れ様でした〜。

追伸、後に姪っ子から聞いたんだけど、その夜旦那が夜中帰ってきてね寝ていたのにわざわざ起こされて「お前んとこのおばさん最高!」と、涙を流して笑い転げていたそうな。


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