江本昌子の「ぶちおきゃん!マチャコの思い出話」 第33回「ソングルPART3」 江本昌子公式ホームページ

江本昌子の

著者:江本昌子

第33回「ソングルPART3」

毎週木曜日更新

作者へのお便りをお待ちしてます。

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またソングルしてしまった。今度はテレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」
本当出たがりなんだからと皆に言われちゃったけど、これにはちょっと訳があるので言わせて。

宝塚が大好きな私はいつものようにお気に入りのスターさんのビデオを深夜まで見ていた。時計を見ると一時。もう寝なくちゃあと思い、ビデオをガシャンと出したところテレビの画面が「開運!なんでも鑑定団お宝募集」と放送していた。鑑定出張地方版ってやつ。ふ〜ん今度は山口に出張鑑定が来るんだぁ、と思って床に就いた。
そうしたところ朝方、枕元に七年前亡くなった四女の明子姉が出てきて「店のつぼをなんでも鑑定団にだせ!」と言う。ウエッ!何?何なの〜と思ってると、とにかくあのつぼを出せっちゃ!と、大きな目をひんむいて私の横に座っている。
ひいぃ〜!!ガバッと飛び起き、さっきまでそこに居た明子姉を探すけどどこにもいない。夢だったんだ。ホッとしたけれども胸騒ぎはまだ納まらない。とりあえず言われた通り応募しなくては恐ろしくて仕方ない。さっそく電話で問い合わせ、応募要領を聞いたところ「今日が締め切りですから写真とお宝の説明文を書いて送付せよ」とのこと。すぐに親友のほりっぺに頼んで写真を撮ってもらった。

店の入り口に置いてあるこのつぼは大人一人すっぽり入るくらいの大きなつぼ。そのつぼにこれまた思いフタがついていてどういう代物なのかさっぱりわからない。ま、とりあえず出してみよう。つぼを指さし力いっぱい美しく満面の笑みできれいに撮ってねと頼んでいるのに、クールなほりっぺ、
「きしゃない。後ろ向いて」だって。仕方ない、しぶしぶ後ろ向きでつぼと並んで撮ってもらった。なんとか締め切りに間に合い、一月位して電話があった。
「なんでも鑑定団の者ですが、つぼに関して聞かせてください。」
「はいはい」一通り質問に答えていると「なぜ、あなたは後ろ向きに写真を撮られてるんですか?」と、聞かれ「きしゃないから」とそのまま答えた。その後5,6回問い合わせがあったがその度話は脱線してあちらさんと大笑いで談笑。最後の電話で出場決定と言われた。明子ねえさ〜ん、あなたが言われた通りにしたら決まったよ〜!

さて録画撮り当日。スタッフからは「つぼを買ったいきさつを教えてください」と、言われた。30年前買ったこのつぼは、店主がいなくて留守番をしていたおばあちゃんから一万円で買ったけど、10年して店主が10万円だすから返して欲しいと言われたもの。ひょっとするとすごい物なのかしらん?
市民館いっぱいのギャラリーと相変わらずのものすごいライト。出場者5人は一番前の席に座って順にステージにあがる。ドキドキ。ブルブル。わぁ〜、もうあがってる。どうしよう。私の番が来た。カメラがわたしのアップを撮っている。ステージ横のモニターテレビがものすごく大きくて目尻のしわがはっきり、くっきり。ひどい。
カ〜ッ!とまた熱くなってきた。一人持ち時間30分、ペラペラといろいろしゃべるのではあるが、出てくる言葉は山口弁丸出しの田舎っぺ。訂正しようとすると焦ってまたソングルしちゃう。だめだこりゃ。

放送されたテレビの画面はやっぱり方言丸出しのところを使われていた。
「店主が”返して”ってきちゃったそいね」
ま、おかげで楽しい一日を過ごすことができた。NHKとちがい出演料も一万円。応援団にも食事がでてスポンサーがつくとえらい違いですわ。このつぼを買い付けた五女のまいこ筆頭に、姉夫婦など総勢7人で温泉宿に泊まり祝杯をあげた。

あの時枕元にでてきた明子姉さん、貴方の言われた通りにしたよ。これからもいい道しるべとなって頂戴!その代わり間違ってもお迎えにはこないでね。まだまだソングルしたいこといっぱいあるの〜!

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