江本昌子の「ぶちおきゃん!マチャコの思い出話」 第37回「遊園地」 江本昌子公式ホームページ

江本昌子の

著者:江本昌子

第37回「遊園地」

毎週木曜日更新

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子どもの頃遊んでいた遊園地は広いと感じていたけれども、今見るとものすごく狭い。よくこんな狭いところで子どもがわんさかいろんなことして遊んでいたなあ、と思えた。わたしはこの遊園地にひとつの秘密を作った。と言えば聞こえはいいが、何のことはない。石垣に10円玉つっこんで取れなくなってそのままにしてるの。ぐやじい〜!遊園地に売りに来る屋台のたこ焼きを買う為握りしめていたのだけれども、野球をするのにじゃまで石垣にはさんだら抜けなくなっちゃった、という訳。ポッケがない服、そう例のマクラカバーに紐をつけただけの上下ビラビラワンピース。これが悪い。おかげでたこ焼き食べ損ねたヤン。

男の子のように育てられた私は野球でもレギュラー。狭いスペースでするので三角野球ショートとセカンドの内に打たないと後はファール。すごい技あり。豪速球を投げられてもバシッ!と涼しい顔で受け身長と同じバット振り回してヒットを打ち裸足で走りまくっていた。

野球を小さくしたのがロクムシ。道具もいらずやわらかボールを素手で打つので女の子も多くやっていた。それよりまだ小さいスペースで遊べるのが穴ころがし。横一列に穴を掘り、ボールを入れられた穴の人が鬼になって逃げる人を掴まえていくゲーム。本当にみんな泣かんとよう遊ぶ。6時のミュージックサイレンが鳴るといっせいに魚屋さんの裏のテレビの前に集まり”月光仮面””少年ジェット””隠密剣士”をワイワイ見てそれが終わると今度は屋根ころがし。商売屋の子どもらは誰も家に帰らない。私もその一人。下町のオスカルは遊ぶのに忙しい。え?洗濯上手なのかって!?それはラスカルでしょうに!

時が経ち、時代が平成に変わった頃、人づてに10円玉のことが神秘的な話になって伝えられているのを聞いた。あれは神様へのいたずらで最初からおいてあるから取るとバチが当たるよ。だって。ま!?どうしましょ。今更、実は、、、、とは言い出せないなあ、、、口継ぐんじゃぉ。

あたり一面、草がぼうぼうに生え、ブランコもすべりだいもどの遊具もさびが目立ってわびしい公園に変わってしまったけれども、この10円玉の話しだけが少しはロマンがあって、ほっこりするのもになっていた。

それにしてもわたしゃあの小さな公園のナゾの神様だよ。貧乏神という名の神にだけは仲良くなりたくない!福の神様大歓迎!お願いします。神様!

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